岩手県矢巾町のJR東北線矢幅駅で5日(2015年7月)午後7時半ごろ、中学2年の男子生徒(13)が列車にひかれ死亡した。警察は自殺とみて動機を調べている。生徒と担任教師が交換するノートに「いじめを受けている。死にたい」と訴える記述があった。学校はきのう7日夜、緊急保護者会を開き、いじめについて調査中と説明した。
「生活記録ノート」にいじめ訴える記述
生徒が学校生活などを毎日提出して担任とやり取りする「生活記録ノート」には、1年生だった昨年(2014年)終わりごろから、「死ねとかバカとか何回もいわれている」などと書いていた。2年生に進級したが、いじめ側の生徒と同じクラスになり、いじめは終わらなかった。
6月28日には「もう生きるのに、つかれてきたような気がします。氏(死)んでいいですか?」と自殺をほのめかし、担任は「どうしたの?テスト?クラブ?クラス?元気を出そう」と励ましたが、その翌日に「もうすこしがんばってみます。ただ、もう市(死)ぬ場所はきまっているんですけどね」と書かれていた。担任は「明日からの研修 たのしみましょうね」と書いただけだった。それが最後のやり取りで、生徒は6日後に列車に飛び込んだ。
父親「いつ死んでもおかしくない状態なのに連絡もらえなかった」
父親は「うちの息子は毎日苦しんでいた。いつ死んでもおかしくない状態なのに連絡ひとつもらえなかった。担任の先生のコメントはまったく意味がわからない。悔しい」と訴える。
宮崎哲弥(評論家)「いじめ事件は学校がいじめを知らなかったというケースが多いですが、この件はノートによって生徒の気持ちや状況が記録されている。それにもかかわらず、対応ができてなかったわけです。2年生になったときに、いじめ側の生徒とクラスを変えなかったのは問題だったと思います」