5―2とは思いもしない結果だった。きのう6日(2015年7月)に行われたFIFA女子ワールドカップ決勝の相手アメリカには、これまで1勝23敗6分けと、「なでしこ」は1度しか勝っていない。そしてやはり2勝目はならなかった。
フジテレビは生中継で放送したから、「とくダネ!」にもテレビに映らなかったシーンがたくさんある。
佐々木監督「若い世代が入ってパワーアップ」
最初の16分でアメリカは4点をとった。だが、放送されなかった映像を見ると、選手たちはまだやる気だった。3点を失ったあと円陣を組んで「まだこれから」。4点目のあとも宮間あやをはじめ笑顔を見せていた。33分に交代で入った澤穗稀も笑顔で握手していた。その後、絵に描いたような大儀見優季のゴールを生んだ。後半のオウンゴールを誘った。
この日のベンチには、予選のスイス戦で骨折した安藤梢の姿もあった。佐々木則夫監督が呼んだのだ。23人の全員サッカー。ヒロインは日替わりだった。鮫島彩、菅澤優衣香、有吉佐織、柵口夢穂、岩渕真奈とW杯初ゴールがいくつも出た。世代交代のたしかな手応え。「これが最後」という澤もGKに阻まれたものの、宮間のピンポイントをしっかりと受けていた。
完敗にだれもが涙にくれたが、宮間は「次はオリンピック」と笑顔にもどっていた。佐々木監督も「若い世代が入ってパワーアップが大事」と話した。
アメリカも必死で取りにいった1点目と3点目
司会の小倉智昭「1か月、どれだけがんばったか。立派でした」
まだ現地にいた木下康太郎レポーターは決勝戦の様子を「5万人の観衆のほとんどがアメリカ人。前日から町はアメリカ人がいっぱいで、完全なアウェー状態だったのですが、すばらしい結果でした」と伝えた。
竹田圭吾(「ニューズウィーク日本版」編集長)が珍しく論じた。「アメリカの1点目も3点目もいってみればトリックプレー。そこまでやらないと勝てないと真剣だったわけですよ。結果的にこの点差はなでしこの強さの証明なのかな」
小倉「前回優勝のあとなでしこリーグの観客が増えたのが、また減っていると宮間が心配していたね。オリンピックも、中国、北朝鮮、オーストラリアが強いのでがんばってもらいましょう」
選手たちは今週末からなでしこリーグ戦に戻る。