司会の小倉智昭「びっくりしたんですが、消費者庁が『インターネットでの母乳の購入にご注意ください』と注意喚起したんです。母乳がネットで買えるんですか?」
消費者庁は3日(2015年7月)、「インターネットで母乳と称した商品の販売情報を確認した」「感染症や衛生上のリスクがあり、消費者が安全性を確認するのは容易ではない」として、母乳が出ない母親に「1人で悩まず、購入前に医師や保健師に相談しましょう」と呼び掛けたのだ。
HPに「質が高く栄養価の高い母乳」届いたのは白い粉
子どもをもつ梅津弥英子キャスターは「他人の母乳を子どもに与えようと思ったことがなかったので、びっくりしました」という。山中章子アナが「私もびっくりしました」といいながら説明したところでは、ネット上には複数の業者があって、ホームページで「質が高く栄養価の高い母乳を必要とする方にお届けします」などとある。出産したあと、母乳の出が悪くて悩む母親へ売ろうというわけだ。
毎日新聞によると、30代の女性が購入したところ、届いたのは白い粉末のパックだった。女性の文字らしい手書きで「おっぱいを買ってくれてありがとう」「私は食べ物にも生活にも気をつかっているので、きっとおいしいおっぱいです」などとあり、「イクミ」という署名と笑顔のマークがあった。
母乳の100~1000倍の細菌
購入した女性は「出来損ないの母親と見られそうで、(ママ仲間に)相談もできなかった」という。その粉末を昭和大学豊洲病院の水野克己医師に調べてもらったところ、母乳はわずかしかなく、母乳にない成分が検出され、細菌が普通の母乳の100~1000倍もあった。
女性は4パックを購入し、1パックを息子に飲ませたが、やはり違和感を感じて残りは捨ててしまったという。白い粉が浮いて、なめると甘かったそうだ。
山中「母乳が出ないおかあさまたちは切実なものがあるんですよね」
梅津「私も1人目のときはなかなか出なくて、母乳にこだわってすごく悩みました」
水野医師は「ネットで購入したものはだれがどんな方法で搾乳・保存したかもわかりません。HIVなど母乳感染するウイルスがあるかもしれない」と警告した。さらに「たとえ1滴、2滴の母乳でも、『金の液体』ともいえる貴重なものです。立派に母乳育児をしていると自信をもってください」と話す。
昔なら、親も親戚も近所もみんなで見ていた。いまは育児までが孤立していて、すき間商売の余地が生まれる。