各地で仏像の盗難が相次いでいることから、3Dプリンターで本物ソックリのレプリカを作り、防犯対策に乗り出したお寺が現れた。取材ディレクターの渡辺勝昭が訪れたのは島根県江津市の清泰寺だ。県指定文化財の阿弥陀如来像が置かれているが、普段は住職が住んでいないため、檀家たちから盗難を心配する声が出ていた。
井下智泉・兼務住職は仏像を博物館に預かってもらうことを提案したが、檀家は「本尊がいなくなるのは寂しい」という。ではということで、本体の仏像は博物館に預け、お寺には3Dプリンターで作った複製品を置こうということになった。
檀家「住職が住んでいないし仕方がない」
檀家総代の松原和久さんはこう話す。「息子が岡山の3Dプリンターの会社におりまして、抵抗はあったが、檀家の了解を頂いてやりました」
5年前、仏像11体が盗まれた和歌山県紀の川市の円福寺も、事件後は3Dプリンター仏像を置いている。こちらは地元・和歌山の県立和歌山工業高校の生徒たちが、授業の一環として複製品を作った。
小松靖アナ「専門家の話によると、全国に7万7000あるお寺のうち、2万寺が住職さんがいないんだそうです。そこで編み出されたのが3Dプリンター仏像というわけです」