新大阪行き下り東海道新幹線「のぞみ225号」の車内できのう30日(2015年6月)、男が油のようなものをかぶって火を付け、乗り合わせていた52歳の女性が煙を吸って死亡したほか、1歳から65歳までの男女26人が重軽傷を負った。火は運転士が消火器で消し止めた。持っていた免許証のコピーから男は東京・杉並区のアパートに住む林崎春生容疑者(71)で、神奈川県警は殺人と現住建物等放火の疑いで自宅を捜索した。
国土交通省は新幹線開業以来初めての列車火災事故と認定し、運輸安全委員会が調査を行うことにしている。
増えている「考えられないような事件・犯罪」
林崎が焼身自殺した動機はわかっていないが、杉並の近所の住民は「普段はおとなしそうな穏やかな感じだけども、ときどき誰かとケンカして声を荒げているときがあった」「ハンチング帽みたいなのをかぶって、小柄でカワイイおじさんという印象」と話す。
コメンテーターの久江雅彦(共同通信編集長兼論説委員)「来年は伊勢志摩サミットがあり、2020年には東京オリンピックがあります。警備体制を強化することが当然求められるんですけど、同時に一人ひとりが危険と隣り合わせなんだという自己防衛の意識を積み重ねていくことが大事かなと思います」
しかし、サミットや東京五輪では厳重な警戒が敷かれ、かえって危険性は少ないかもしれない。むしろ、怖いのは今回のように普段の生活の仲で他人を巻き添えにする犯罪だろう。今回は油のようなもので焼身自殺を図ったが、密室状態の新幹線車内で爆薬でも使われたらと思うとゾッとする。
文
モンブラン