63歳の日本人女性がパワーリフティングで世界新記録を達成した。今月(2015年6月)、フィンランドで行われた世界クラシックパワーリフティング選手権大会に出場した兵庫県加東市の林久子さんだ。
パワーリフティングは、バーベルを肩に担ぎあげるスクワット、仰向けにバーベルを持ち上げるベンチプレス、手を伸ばしたまま引き上げるデッドリフトの3種目のトータルで競う。林さんは高齢者が参加するマスターズ部門ではなく、若い人も参加する一般の63キロ級に出場した。小柄で若くみえる林さんだが、最年長だった。
手術リハビリで始めた筋肉強化
まずはスクワット。「うおーっ」と声を上げ120キロを見事に成功した。ベンチプレスは70キロ、デッドリフトは135キロをそれぞれ上げ、トータルで325キロを記録した。残念ながら最下位の15位だったが、60代としては世界記録だった。
林さんがパワーリフティングを始めたのは46歳のときだった。幼稚園の先生だったが、声帯にポリープができて一時期声を失った。そのリハビリに勧められたのがパワーリフティングだった。筋肉を鍛えたせいか、声が元に戻った。
53歳で退職してからは365日練習した。いまもほぼ毎日ジムでトレーニングしている。
文
一ツ石| 似顔絵 池田マコト