神奈川・箱根山ではきのう29日(2015年6月)午後、大湧谷に近い一帯に白い雪のようなものが降り、道路や建物、車などにうっすらと積もった。火山性微動もはげしく、けさ30日には震度3の地震もあった。
新たな噴気孔から地上300メートル
地震は午前7時前に2度あり、震源はごく浅く、マグニチュードは3.3と推定される。火山性微動はきのうの朝にもあった。気象庁は火山性微動を28日にも4回、きのうは午後3時までに117回観測した。いずれも地下のマグマや高温の水が動いたことによる現象だ。火山性微動があったのは常時観測になってから初めてという。
降下物は大湧谷から1.2キロの上湯場、1.4キロの箱根ロープウエー早雲山駅、さらに2.7㌔の強羅地区でも確認され、夜になっても降り続いた。火山灰のようにも見えるが、非常に粒子が細かい。これまでこのような降下物はなかったという。
天候が悪くどこから吹き出しているのかもわからなかったが、雲の切れ目から大湧谷の一部に新たな噴気孔が開いているのが確認された。噴気が地上200~300メートルくらいというほど強かったことから、神奈川県温泉地学研究所は開いた噴気孔周辺の土砂が巻き上げられたのではないかとみて、「火山活動による可能性は低い」「噴火につながるかどうかは何ともいえない」という。
気象庁は降下物が火山灰であれば噴火警戒レベルを「3」に引き上げることも検討している。
文
ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト