世界遺産に登録が見込まれる長崎市・軍艦島が倒壊の危機に瀕している。コンクリートが崩れ、ヒビも走る。ツアーは人気だが、保存状態は深刻だ。
長崎市の沖20キロに浮かぶ正式名・端島。石炭の本格的な採掘が1891年から始まり、6回の埋め立てを経て周囲1・2キロ、東京ドーム約1・3倍の面積に最盛期5200人が暮らし、人口密度は当時の東京の9倍に達した。病院や1000人規模の学校もあった。
1974年の炭鉱閉山で人々は島を離れ、41年たった今は無人島だが、観光人気が高まり、船を運航する4社が各1日2回のツアーを組んでいて、平日でも満員という。
長崎大大学院が3Dで映像記録
軍艦島は28日(2015年6月)からドイツのボンで開かれる世界遺産委員会で認定の方向だが、劣化も進んでいる。長崎市の調査では、台風や暴風雨にさらされた建物の多くは、いつ倒壊しても不思議はないという。荒波で護岸が破壊され、海水が入り、基礎の土も流されている。
昨年から長崎大学大学院は現状を3D映像で記録する軍艦島プロジェクトを始めた。姿を後世に伝えて保存や修復に役立てるのが目的だ。
司会の加藤浩次「老朽化が進んでいるということですね。世界遺産に登録されると手を加えられなくなるので、まず記録しておかないといけません」
文
あっちゃん| 似顔絵 池田マコト