韓国のベストセラー作家・申京淑(シンギョンスク)さん(52)に、盗作疑惑が起きた。盗まれたのは三島由紀夫の「憂国」で、いくつかの抜粋をみても「つまみ食い」は間違いなさそうだ。有名作家が何のためにそんなことをしたのか。
問題の作品は、申京淑が1994年に発表した短編小説「伝説」で、今月中旬(2015年6月)、韓国の作家が盗作だと告発した。申ははじめ「『憂国』は読んだことがない」と否定していたが、83年に韓国語の翻訳が出ていた。
文学賞総なめ、200万部ベストセラー、豪邸、印税2億円・・・
2つの作品にどれだけ似た記述があるか。
◆「憂国」2人とも実に健康な若い肉体の所有者だったせいでかれらの夜は激しかった」
◇「伝説」ふたりとも健康な肉体の持ち主だった。彼らの夜は激しかった
◆「憂国」この2人の美男美女ぶりに改めて感嘆の声をもらした
◇「伝説」2人が一緒にいるとだれもがその男女の美しさに感嘆の声をあげた
◆「憂国」初めての夜を過ごしてから1ヶ月が過ぎたのだろうか。すでに麗子は喜びを知っている体になり、中尉もそんな麗子の変化を喜んだ
◇「伝説」初めての夜をもってから2ヶ月あまり、女はすでに喜びを知っている体になった。女の変化を最も喜んだのはもちろん男だった
いまのところ、5か所ほどあるという。おととい24日に韓国のテレビは「申さんが盗作を認めた」と報じた。その前日に申は、「読み比べると似ているとの疑惑が出ることは理解できる。『憂国』を読んだ記憶はないが、もはや自分の記憶が信じられなくなった」と、事実上、盗作を認める発言をしていた。
申はこれまで韓国の数々の文学賞を総なめにし、翻訳も多数あり、サイン会にはファンが殺到する国民的人気作家だ。高級住宅街に居をかまえ、日本の芥川賞に匹敵する文学賞の選考委員も務めている。11年には「母をよろしく」はアメリカで200万部を売った。いまでこそ印税収入2億円超だが、20年前に「伝説」を出したころは無名だったということか。
世界の有名作家を次々パクリ?
司会の小倉智昭「よりにもよって三島由紀夫をやりますかね」
森本さやかアナ「いまは、『憂国』ですが、他にも世界の有名作家の盗作をしていたのではないかという疑惑が出ています」
小倉「たまたま似てしまうということはあると思いますが、同じ本で5か所も似ていたらちょっと怪しい」
中瀬ゆかり(新潮社出版部長)「韓国語の翻訳と同じ言い回しというのは、明らかにおかしいですよ。作品は94年で、以前から『憂国』のことはいわれていました。いまさら出てきたのは、韓国文壇の問題もありそうです」
ショーン・マクアードル川上(経営コンサルタント)「インスパイアされたというより、限りなく盗作に近い。韓国はいま内向きというか、国内に対して厳しくなっているといいます。政治、経済がうまくいかないなかで、韓国のあり方に厳しくなったとでしょうね」
中瀬「三島の代表作を、まあいい度胸してるなと思いますよ」(笑い)