元少年Aの手記「絶歌」ゴーストライターの作?微妙に文章が違う一部と二部
酒鬼薔薇聖斗事件の元少年Aが手記「絶歌」(太田出版)を発表して以来、大きな波紋を広げて今も収まらない。だが、この手記をA自身が書いたのかと疑問を持つ人も多いようだ。その疑問を解く鍵が週刊ポストに載っている。週刊ポストは2001年3月9日号に「全文掲載 18歳・酒鬼薔薇が綴った『700字小説』」という特集を組み、そこでAの書いた「作文」を紹介しているからだ。
<18歳の青年Aが書いた小説の一部を改めて抜粋する(以下、すべて原文ママ)。
《題 愛想笑いに手には名刺を
『桜木町』、『桜木町』。僕の横から現れた彼女に風太郎は書きかけの手帳を慌てて仕舞い込む。彼女の口許には絶えず微笑が刻み込まれているがまだ、十代のあどけなさが残っている。
『この乗り物は、桜台二丁目まで行きますの?』はっと我に返った僕は職業心が芽生える。まだ間もない身ではあるが、
『奇遇ですね、私の地本なんです』
奇妙なタイトルもさることながら、内容も要領を得ない。誤字も散見された>(週刊ポスト)
この短編小説と今回の手記を比べると、文章力は格段に進歩している。同じ人間が書いたものと思えないと週刊ポストはいっているが、大方はそう思うだろう。出版関係者もこう話す。<「いかにも文学青年崩れが書きそうな修飾過多の文章からは、一部ではゴーストライターの作に違いないとみられている」>
邪推すれば、最初にAの原稿を出そうとした幻冬舎の見城社長はもともと作家志望だったと聞く。彼の手が入っているのではないのか。
遅ればせながら私も読んでみた。第一印象はこの文章は『作家崩れ』の編集者の手がかなり入っていると思った。それに一部と二部の文章が微妙に違う気がするのは担当編集者が替わったからだろう。