少年院で指導した童話作家・森忠明氏「なぜやったのかという自己分析なってない」
読んだ人の反応はさまざまだ。事件当時10代でいま子どもがいる30代の女性は「当時から知りたかったことの半分くらいはわかった気がしました。ただ、被害者を冒涜するような描写があって、自己満足で書いたんじゃないかと、不信感と怒りを感じました」と話す。
童話作家の森忠明氏(67)は少年院で元少年Aを指導していたとき、Aから小説のようなものを受けとった。それからみると、14年経っても「変化してない。見たことを書くのはうまいが、肝心のなぜやったのかという自己分析が全然なってない。悪い意味での自己正当化が臭っちゃうんです」という。犯した罪と向き合っていないというのだ。
話は多額の印税にも向けられる。アメリカの「サムの息子法」は印税収入は被害者に行くとか、それに反論もあるとか。しかし、そんな話は枝葉末節だろう。加害者が書きたいというのを抑えるのは難しい。被害者の感情だってどこの国でも同じだろう。
司会の小倉智昭「更生をした人が本を書いているんだから、むずかしい」
為末大(元プロ陸上選手)「世の中には許されないことがあるんだということを理解してほしいですね」
小倉「自分を正当化してるとしか思えない」
だからといって、図書館が公開をひかえるとか、買うな書くなというのは話のスジが違う。言論の自由とはそういうものだ。
文
ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト