埼玉県所沢市が4月(2015年)から始めた新たな保育制度が、子育て真っ最中の母親たちの怒りをかっているという。市が始めた新たな保育制度は、母親が新たに子どもを出産し育児休業を取得した場合、預けていた0~2歳の子どもは翌々月末までに退園しなければならないというものだ。
空いた枠に待機児童を入園
市は育休で在宅していれば子どもの世話は可能なので、空いた枠に待機児童を入園させる対策として実施した。しかし、番組によると、この制度で今月末には90人の子どもが育休退園になる可能性が出ている。市は昨年9月にこの制度について保護者らに通知したというが、保育園や保護者側が聞いたのは今年3月。1か月で施行というあわただしさだった。
お母さんたちは3月に育休退園の撤回を求める要望書を市に提出し反対集会も開いたが聞き入れられず、今週末の25日(2015年6月)には退園の差し止めを求める行政訴訟をさいたま地裁に申し立てるという。
市のこども未来部保育幼稚園課は「特別の事情がない限り、いったん退園をお願いします。戻ってきた時には再入園しやすい環境と同じ園に戻れるよう優遇する考え」という。
保育園から出ると友だちもいなくなる
司会の夏目三久「待機児童は全国に4万3184人いて、所沢市は20人と少ないのですが、少ないゆえに新たな施設を作るより、制度をいじることで対応しようという思惑も見えます」
番組コメンテーターの野村修也・中央大法科大学院教授「子育てを支援する仕組みをもっと充実させないと。お母さんたちも困るし、子どもの立場で考えるといったん入った保育園から出ると友だちがいなくなる。いろんな考慮をしてほしい」
所沢市は小学校のエアコン設置拡大でも揉めたばかり。待機児童の解消ももとを考えれば子育て支援だ。育児、教育に無頓着な市長さんなのか。