世界最大ヘッジファンド「世界同時暴落は近い」1937年悪夢の再来
アメリカのヘッジファンドが、日本だけでなく世界的な株暴落に警告を発していると『週刊現代』が報じている。世界最大のヘッジファンド「ブリッジウォーター」は75年の創業以来、右肩上がりで成長を続け、現在の運用規模はヘッジファンドとして世界一の1650億ドル(約20兆円)だという。
その金融界最高の知性のトップ、レイ・ダリオ氏が新しく迫りつつある危機を警告している文書「日々の洞察」を発表して話題になっているというのである。その内容とは、近いうちに予定されているアメリカの利上げが実施されると、「1937年の悪夢」が再来するというものだ。一部を引用しよう。
<私たちは歴史は何度もくり返すと考えている。時代や国境に関係なく、論理的な因果関係に基づいてくり返すのだ。
また、世界経済は長期的な債務のサイクルをくり返すものであり、そのことはまだ十分に理解されていない。そしてもう一つ――中央銀行の金融刺激策は限界を迎えているようだ。(中略)私たちはエクスポージャー(リスクの高い資産をもつこと)に対して慎重になっている。なぜかというと、現在の状況が37年の状況によく似ているからだ>
1937年には中央銀行が引き締めに踏み切り、悪循環に陥った。そしておそらく2015年も同じことがくり返されると予測しているのだ。08年から始まったアメリカの量的金融緩和は3度にわたる大規模なものだった。日本も黒田氏が日銀の総裁に就任して以来、大規模な緩和を行っている。こんな中で、ジャネット・イエレンFRB議長はこの6月か9月にいよいよ利上げに踏み切るのではないかというコンセンサスが生まれつつある。
RPテック代表の倉都康行氏は「FRBが利上げを強行すれば、アメリカ株は2割近い急落が起きても不思議ではない」と懸念している。2万円を超えた株価が1か月ぶりに2万円を切ってしまった(6月18日現在)。アベノミクスも「戦争法案」も土台から揺らいできたようである。