韓国のERSコロナウイルスによる死者や感染者の拡大が止まらない。WHO(世界保健機関)の福田敬三事務局長補は、感染拡大の背景として「ひとりの患者が症状に改善が見られないため、他のいくつもの病院を受診するドクターショッピングが原因です」と指摘した。
感染者のほとんどはソウル市内の病院での院内感染だったが、14日(2015年6月)にはソウルから400キロ離れた釜山市の病院で治療中だった62歳の男性が死亡した。これで死者は15人になった。また、サムスンソウル病院で治療に当たっていた37歳の医師の感染が判明した。この医師は5月27日に感染者と接触した後も、そのまま勤務を続けていたという。
入院すると次々見舞い。家族は病院に泊まり込み看病
「コリアレポート」編集長の辺真一氏は、ドクターショッピングのほかにも韓国ではこんな風潮があると指摘した。「受診する病院が多ければ多いほどいいという考えがあるんです。また、交友関係、絆が非常に強いので、誰かが入院すると、家族だけでなく親族や同僚、先輩、後輩もお見舞いに駆けつけます。家族が病院に寝泊まりして看病する習慣もある。こういう文化が2次感染、3次感染を引き起こしていったのでしょう」
行政や病院の防疫体制はいったいどうなっているのか。減少傾向だったエボラ出血熱がギニア、シエラレオネで増加の兆しが出てきたという。先進国の韓国がまさか西アフリカ並みの防疫体制とは思えないが、最も厳しい対応のはずの院内で感染が多いのが気になる。
文
モンブラン