鳥取の県立養護学校で先月(2015年5月)、看護師6人全員が辞め、ケアが必要な児童・生徒に支障が出るという異常事態が起きた。ある保護者の威圧的な言動が理由とされるが、看護師不足で時間通りのケアが守れないという背景、さらには施設の対応の拙さもあるようだ。
「6歳の息子は難病で、水分・栄養補給が15分遅れても命に関わる」
鳥取養護学校には小学1年生から高校3年生まで76人が在籍しているが、医療ケアにあたる看護師は6人全員が非常勤だ。この6人が辞めてしまったため、医療ケアが必要な生徒33人のうち9人が一時登校できなくなった。
8日(2015年6月)の県議会で、看護師から話を聞いた議員がこの問題を取りあげ、広く知られることになった。辞めた理由はある保護者の暴言だとしたため、保護者への批判が高まって、ネットでは「モンスター・ペアレンツ」ともいわれた。
しかし、当の保護者は「とくダネ!」の取材に「怒ったことは事実だが」と実情を話した。6歳の息子は低血糖を起こす難病で、決められた時間に鼻の管から水分・栄養を補給しないといけないのだが、時間が守られない。15分の遅れでも命に関わるから激しいやりとりもあったという。
「それを暴言といわれてもね」
ケアの要求が母親の思い込みなのか、医学的に正しいことなのかはわからないが、母親は「死んでもいいと思ってるんじゃないですか、うちの子のことを」と話す。ここまで言うようだと、もう折り合いはつきそうにない。
文
ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト