秋田県小坂町のおばあちゃんたちが山で山菜を採って都会に届ける「天然山菜採り代行サービス」が評判になっている。より良い暮らしを地域にもたらしたと、このほど135団体が参加したコンテストで環境大臣賞も受賞した。司会の夏目三久が「!チャン知り」コーナーで伝えた。
秋田県の山間・小坂町の「山の名人」
小坂町は人口5600人の山に囲まれた町だ。話題のおばあちゃんは中村イサさん(80)と川口キサさん(78)の姉妹で、山菜採り30年以上という山の名人だ。この日も朝6時、雨にもめげず2人で山に入っていった。
「ふき」は横向きに生えている方が柔らかくておいしい。たけのこの一種の「ねまがりたけ」は焼きたけのこや味噌汁に。「わらび」は黒っぽい茎の方がおいしい。山菜の一級品といわれる「みず」はビタミン豊富で茎は油炒め、葉は天ぷらがいい。「生きがいを見つけてもらった」(イサおばあちゃん)、「力っこもらって長生きしねばな。山に来れば楽しい。孫のお手伝いもできるし」(キサおばあちゃん)
口コミやネットで評判に
この天然山菜取り代行サービスを始めたのは川口キサさんの孫、栗山奈津子代表(26)だ。過疎化が進む町が少しでも元気になればと考え、小さいころおばあちゃんに連れて行ってもらった山菜採りに目をつけた。2人のおばあちゃんを主役にインターネットのホームページに「あきた森の宅配便」を立ち上げた。
口コミやネットで注文が増え続け、今年(2015年)はすでに昨年の2倍。山の名人も20人に増やした。注文先は大半は関東からだという。東京都内の夫婦は届いたばかりのみずの葉を天ぷらにし、茎は油炒め。夫は「これがないと夏が来ないんだ」という。
スタジオでみずの昆布和えを試食した野村修也(中央大大学院教授)「秋田の空気感とおばあちゃんたちの贈り言葉が一緒に込められているような感じが伝わってきましたね」