「集団的自衛権の行使は違憲」
4日(20145年6月)に開かれた衆院憲法審査会で、出席した憲法学者の3人の参考人すべてが国会審議中の安保関連法案は憲法を大きく逸脱していると指摘した。3人の中には与党推薦の参考人もいて、「合憲」と言ってもらうはずが、与党側は大慌てとなった。
3人の憲法学者すべて「憲法を逸脱している」
憲法審査会の参考人質疑は、各党推薦の憲法学者から安保関連法案に対する意見を聴くもので、自民・公明推薦の長谷部恭男・早大法学学術院教授、民主党推薦の小林節・慶大名誉教授、維新の党推薦の笹田栄司・早大政治経済学術院教授が出席した。
長谷部教授は「集団的自衛権の行使が許されるという点については憲法違反と考えている」、小林名誉教授は「私も違憲と考えます。憲法9条に違反します」、笹田教授も「定義では踏み越えてしまったということで、違憲の考えです」と、きっぱりと「違憲だ」と言い切った。
菅義偉官房長官 苦しい反論「違憲でないという著名な憲法学者いらっしゃる」
与党推薦の長谷部教授からも「違憲」とされてしまったことに、自民党の船田元・審査会筆頭幹事は「ちょっと予想を超えたところがあったと思っている」と困惑している。菅義偉官房長官は「まったく違憲でないという著名な憲法学者もたくさんいらっしゃる」と苦しい反論だ。
番組コメンテーターの毎日新聞前政治部長・前田浩智「与党の推薦した学者が安保法案に異を唱える極めて異例の展開になりました。与党にしてみたら、人選ミスをしたのかもしれないが、今後の安保法案審議への影響は避けられないでしょう」
疑問の多い安保法案成立を急ぐ安倍内閣に、与党内や保守系学者からも批判は強い。