肺炎などを引き起こすウイルス性の感染症「MERS」が韓国で広がっている。これまに2人が死亡し、1300人が感染疑いで隔離された。MERSは2012年に中東で初めて確認され、おもにサウジアラビアなど中近東で発生し、飛沫感染や濃厚接触で感染する。風邪に似た症状だが、重症化すると致死率は37%と高い。
日本では広がる可能性低い
スタジオゲストで感染症が専門の浦島充佳・東京慈恵医科大教授が解説した。致死率はMERSと確定診断された人が分母であり、「飛沫感染するウイルスとしては重症度が高いが、軽い症状で病院に行かず自然に治っている人もいると考えられ、そうした人を分母に含めればもっと低くなる」そうだ。
治療法については有効なワクチンなどはないが、「点滴や抗生剤などの対症療法でも生存率は上がるはずで、けっして治療法がないということではありません」という。日本で広がる可能性については、「これまで病院や家族内での感染がほとんどで、インフルエンザなどのように学校や職場、地域で感染が広がる可能性は低いです」
ただ、発生する可能性はあり、「中東などの流行国から帰国してこのような症状が出たときには、まず保健所など最寄りの機関に連絡して指示を仰いでください」