韓国の感染症MERS(中東呼吸器症候群)の感染拡大は、2人死亡、感染者35人、隔離1364人という非常事態になっている。特効薬はなく、致死率は40%と高い。日本への飛び火が懸念される。
韓国内で最初の感染者が見つかったのは先月20日(2015年5月)で、中東から帰国した68歳の男性だった。男性は入院したが隔離はされなかったため、親族や見舞客、他の入院患者など26人に感染、57歳の女性と71歳の男性が死亡した。さらに、感染者のひとりが別の病院へ移ったため3次感染も招いてしまった。
危機意識低い韓国国内!感染者がゴルフ行ったり海外渡航
朴槿恵大統領は「初期対応に不十分な点があった」と、病院や当局のずさんさを認めたが、市民側の無責任な行動にも驚く。感染者と接触したとして自宅隔離を求められていたにもかかわらず、50代の女性は夫とゴルフに出かけ「家にいると息がつまるから」と開き直っている。
また、44歳の感染男性は当局に止められたが香港へ渡航した。そのとき搭乗したアシアナ航空機は、その後、消毒もされないまま仁川空港から日本の中部国際空港へ乗り入れていた。当局からの感染者情報が遅れたというのだから、危機感ゼロといっていい。
おかげで、幼稚園、小中学校230校が休校し、報道によると1413人の児童に高熱やせきの症状が出ているという。発症児童はいない。
中国からの観光客2500人がキャンセルなど観光への影響も広がっている。
特効薬なく致死率40%
MERSは12年に中東で確認された新しいウイルス性感染症で、呼吸器系に作用して発熱、せき、息切れ、肺炎などを起こす。これまでに1154人が感染して434人が死亡している(WHO発表)。感染源としてヒトコブラクダが疑われているが、くしゃみなどの飛沫か接触で人から人へも感染する。空気感染はなく、感染力はインフルエンザより弱いという。
日本と韓国の人の行き来は年間500万人。韓国がここまでずさんだと心配せざるをえない。羽田空港から韓国へ向かう女性は「マスクとうがい薬を持参」と反していたが、それしか対応策はないか。
司会の小倉智昭「風邪やインフルエンザに症状が似てるんで、見分けるのが大変。どうすればいいんですか」
東京医科大渡航者医療センターの濱田篤郎教授は「特効薬がないので、対症療法しかありませんし、見つけるのも難しい。韓国はいまのところ院内感染が主なので、そう感染することはないと思いますが・・・」と話す。
医師の宋美玄「ありふれた症状だから、臨床で見分けるのはむずかしいでしょうね」
そうした感染の可能性のある地域へいった場合の心構えか。3次感染になったらもう防ぎようがない。