全国の神社や寺に油のような液体がかけられる事件が相次いでいるが、千葉県警はきのう1日(2015年6月)、アメリカ在住のキリスト教系宗教団体創立者の男(52)を建造物損壊の疑いで逮捕状をとった。この男とよく似た人物が3月(2015年)に、千葉県香取市の香取神宮に油をまいている様子が防犯カメラに写っていた。香取神宮から約20キロ離れた成田山新勝寺でも同様な被害があり、似ている男が防犯カメラで確認された。
男は日本を出国していて、帰国後、容疑が固まり次第逮捕する方針だ。
自称・宗教団体創設者!信者たちに「日本各地で油をまいて清めた」
日本テレビは先月、ニューヨークでこの男を直撃していた。白いシャツで歩道を歩いていた。
記者「重要文化財に液体をまかれた事件に関与の疑いがありますが、心当たりはありますか」
男「ありません」
記者「本当にありませんか」
男「はい」
記者「日本に行ったことは?」
男「だいぶ前ですね」
記者「いつごろですか」
男「3月の上旬くらいですね」
日テレの映像はそこで終わるが、動画サイト「ユーチューブ」でもこの男のことは公開されている。それによると、自分のプロフィルについて「17歳の時に洗礼し、『神の示し』でアメリカで医師になった」といい、「2013年7月にキリスト教系の宗教団体を創立、各地で講演している」と早口で穏やかにしゃべっている。油と何か関連あるのか、「多くの人が無実の罪で殺された場所で油を降り注いで清めました」などと説明している。別の講演でも「かつて日本各地で油をまいた」ともいっている。
マンハッタンの一等地で開業外科医
司会の加藤浩次「清めるために油をまいたとはっきり言っていますね」
ロバート・キャンベル(東京大教授)は「呪いがかかっているから清めると言っていますが、キリスト教では呪いはありませんし、清めるということもありません。彼のホームページをみると、マンハッタンの一等地で外科医をしていて、サイトの内容は非常に明晰です。しかし、教団のホームページはちょっととりつかれたような感じで、同じ人とは思えません」と分析している。
現在、全国16都府県48か所に同様の油のような液体がまかれた被害が確認されている。