今夏はとくに2つの感染症に注意が必要と国立感染症研究所が呼びかけている。一つは韓国で感染症が拡大しているMERS(中東呼吸器症候群)と呼ばれるウイルス性の感染症だ。韓国メディアによると、18人が感染し680人が隔離状態にあるという。
MERSの感染源は中東のヒトコブラクダで、このラクダのミルクを飲むなどして感染が広がったとみられており、2012年に初めて確認された。国立感染症研究所の大石和徳センター長によると、感染すると発熱や下痢の症状を起こし、重症化すると肺炎になることもあり、中東では死者も出ている。「中東から帰国後、14日以内に発熱などの症状が出たら、医療機関に行く前に保健所に連絡してほしい」と呼びかけている。
野村修也弁護士(中央大法科大学院教授)「韓国は隣の国なので空港など水際の対策をしっかり取ってほしいですね」
蚊に何回も刺され鼻血や吐血!台湾では20人死亡
もう一つは、昨年(2014年)夏、東京都心を中心に感染が広がったデング熱よりもっと怖いデング出血熱である。東京都は今夏もデング熱の国内感染が広がる可能性があるとみて、蚊(ヒトスジシマカ)が本格的に発生する6月を「蚊の発生防止強化月間」に定め駆除に努めている。デング熱のウイルス検査キットが6月から取扱い医療機関で保険適用されることになった。
そのデング熱よりさらに怖いデング出血熱とは、蚊に刺されてデング熱に感染した人が別の種類の蚊に刺されて重症化するというものだ。デング出血熱は、デング熱で発熱、腹痛、筋肉痛の症状が出て、いったん平熱に戻りかけた時に鼻血や吐血といった症状が現れ、全身の血液の量が減少しショック症状を起こす。国立感染症研究所によると、血液が濃縮してうまく血液が回らなくなることで重症化するという。台湾では昨年20人が死亡し、日本でも昨年9人が確認されている。
司会の夏目三久「予防としてはとにかく蚊に刺されないことです」