口永良部島・新岳の噴火から4日目のきょう1日(2015年6月)、島民の代表や消防団員ら27人が避難先の種子島から一時帰島した。島内の戸締りや防犯防火対策、家畜への餌やりなどをする。
一時帰島は昨夜5月31日夜に急きょ決まった。ほとんどの島民が着の身着のままで避難したため、「牛や豚に餌をやりたい」「財布を置いてきた」「電気がつけっぱなし」などの声が出ていた。
司会の加藤浩次「ほとんどの人が貴重品も持ってきていないということですね」
口永良部島ふだんから避難訓練!校門に向けてクルマ待機させていた小学校
島民の避難は非常にうまくいった。72歳の男性がやけどをしたが重傷者はなく、噴火直後に全島民が海上保安庁の船やヘリコプター、町営フェリーで島外に出た。昨年8月の噴火後、「いつ噴火してもおかしくない」という気象庁の説明を受けて訓練してきた賜物だ。今年1月には避難マニュアルもでき、島内7地区中6地区住民は高台の番屋ケ峰に集合と申し合わせしていた。
金岳小学校の高橋誠先生は「子どもたちは指示するよりさきにヘルメットをかぶりました。本当に整然と訓練通りいきました」と話す。この小学校ではいつでも逃げられるように車を用意し、校門に向けていた。金岳小・中学校の児童生徒16人が全員噴火3分後には番屋ケ峰に向かった。
長引きそうな避難生活・・・伊豆大島1か月、三宅島4年5か月
島民の気がかりは避難生活がいつまで続くのかだ。新岳の噴火は火口近くを流れる地下水にマグマが接触して起きるマグマ水蒸気噴火だが、専門家は噴火がまだ続く可能性を指摘している。産業技術研究所総括研究主幹の山元孝広さんは「半分以上のマグマが残っている。そう簡単におさまるとは思えません」と語る。
1986年の伊豆大島では約1カ月、08年の三宅島噴火では4年5か月も避難が続いた。
噴火や地震がつづくが、山元さんは誘発を否定し「たまたま重なっただけ」という。ただ、「全国的に火山が活発な状況はあります。今までが運がよく少なかっただけで、もとの火山列島に戻りつつある」ともいう。
加藤「備えをしておく以外にないという気になります」
各地も口永良部島のようにしっかりと訓練・備えをしなければ。