一般には「やっかいなゴミ」「汚い臭いなどマイナスイメージが強い」下水や下水道が、あらたなエネルギーの宝庫として期待され、投資を呼び込んでいるという。下水の活用にくわしい津野洋・大阪産業大学教授は「化石燃料などのエネルギー資源に乏しいわが国では、循環利用できるものはとことん使い尽くすという発想が大事になります。いまやっとその時代が来ました」と話す。
CO2排出に影響しない再生可能エネルギー
全国の自治体で下水処理場に発電設備を設けるケースが相次ぎ、下水発電ブームが起きている。処理場で汚泥を処理する過程でメタンガスが発生するが、このガスを利用して発電する。以前は使い道がないガスとしてとしてほとんど捨てられていたが、再生可能エネルギーの買い取り制度をきっかけに、発電への利用が注目され出した。
津野教授「下水の汚泥はもともと私どもの食べ物からきているので、(燃やしても)地球温暖化には影響しないCO2を出し、いわゆる再生可能エネルギーと考えられます」