大手コーヒー・チェーン「スターバックス」がはじめて鳥取県に店舗を開き、迎え撃ったのが地元の「すなば珈琲」だった。平井伸治知事が「鳥取にスタバはないけど、すなばはある」と鳥取砂丘に例えた冗談を飛ばし、それを機にできたブランドだった。
全国2番目のコーヒー消費量
おととい23日(2015年5月)にオープンしたスタバは「シャミネ鳥取店」で、国内1034番目の店舗だ。開店前には1000人の列ができた。一方の「すなば」は3店舗という超ミニチェーンだが、オリジナル・マグカプを毎日先着30人にプレゼントする。スタバのレシートを見せるとコーヒー半額。さらに「スタバよりまずい」といった人からはお代はいただきませんと受けて立った。
その甲斐あってか、午前7時の開店に「すなば」にも行列ができた。店員は「3回のうち1回は来てください」とまことに謙虚だが、両者の規模の差を考えると、相当な強気ともいえる。早朝の利用者はマグカップを手に「やっぱり『すなば』。鳥取県民だから『すなば』です」
理由はあった。鳥取市民のコーヒー消費量は全国第2位なのだ(1位が京都、3位が札幌=総務省統計局調べ)。市内には独自の味を売る店がたくさんあって、農作業の合間にも、釣り人も、祭の乾杯も缶コーヒー、ラーメンのあとにコーヒーといった具合なのだ。ある男性はこの日12杯目というコーヒーを飲みながら、「日に4、5軒は飲み歩く」と話す。
文
ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト