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大山のぶ代・砂川啓介「老老介護」なべ空焚き、幻覚症状・・・片時も目を離せない

   私が好きだった作家・車谷長吉さん(69)が亡くなってしまった。「赤目四十八瀧心中未遂」で直木賞を受賞したが、自分も含めて身内の恥をとことんさらけ出す私小説に魅せられた。療養中だったようで、物をのどに詰まらせて窒息したという「死に様」も彼らしいとは思うが、もう彼の小説が読めないと思うと寂しい。

   ドラえもんの声を四半世紀にわたって務めた大山のぶ代さん(81)が認知症だということを、夫の砂川啓介さん(78)が告白したことが話題である。彼女は08年に脳梗塞で倒れ、しばらくはその後遺症でもの忘れが激しいのだと思っていたが、2年前に脳の精密検査を受けたところ、アルツハイマー型の認知症と診断されたと『週刊新潮』で砂川氏が語っている。

   あれほど上手だった料理も、火にかけた鍋のことを忘れて空焚きにしたり、ヘビースモーカーだったのに灰皿を不思議そうに眺めているそうだ。徘徊はないが、下着を汚したり、亡くなった母親と話をする幻覚症状が出たりと、ひとりで置いておける状態ではないという。

   老老介護の大変さがよくわかる記事である。認知症を治すことはできないが、進行を遅らせる薬は出てきているようだが、やはりなるべくならないようにする「認知症防衛」が大切だと、週刊新潮は特集を組んでいる。

   毎日30分以内の昼寝。動脈硬化をもたらす生活習慣は避け、DHAやEPAを含むイワシやサンマなどの青魚を1日60~90グラムは摂るようにする。野菜を多く取り、中でもブロッコリーは「王様」といわれるそうだ。カレーをよく食べるインド人の認知症発症率はアメリカ人の4分の1ほどだといわれる。カカオ含有率70~80%の高カカオのダークチョコを毎日100グラム摂ると、15日間で血圧、空腹時血糖値、血中インスリン濃度がすべて下がり、認知症につながる糖尿病予防にも有効だという。

   果物を食べるなら糖分の多いパイナップルやメロンより、食物繊維が豊富なブルーベリーやりんごがいいそうだ。太りすぎや呑みすぎも厳禁。これを読んでいると、私は100%認知症になることがわかる。もっとも、いますでに認知症になっているのだが、私が気付かないだけなのかもしれないが。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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