ハンマー投げ室伏広治「生活保護の母親」面倒見ない複雑事情・・・13歳の時に私と妹を捨てた

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

   『フライデー』を見ていて気がついた。「フライデーって貧乏人の味方なんだ」と。2本紹介しよう。まずはハンマー投げの金メダリスト・室伏広治氏(40)の実母が生活苦に喘いでいるという記事。

   母親はセラフィナさん(64)は、自身もルーマニアの陸上選手で、広治氏の父・重信氏(69)と1972年に22歳で結婚して広治氏と由佳さん(38)をもうけたが、88年に離婚している。その後、別の日本人と結婚し、広治氏の異父弟にあたる秀矩氏(25)を産んでいる。だが、再婚相手は「事業に失敗し、失踪」(秀矩氏)してしまったという。秀矩氏も陸上をやっていて高校の推薦をとれたが入学金が払えないとき、兄に連絡したら「ガンバレよ」といって20万円を渡してくれたこともあったそうだ。

   だが、次第に音信不通になる。5月(2015年)に広治氏は結婚を発表したが、母親に連絡はなかった。いま母親は体調を崩して生活保護で暮らしている。「家賃は1万6000円で、夏場には室内の温度が40℃近くになります。生活保護でもらっているのは月に7万円ほど。暮らしは苦しいです」とセラフィナさんは話している。

   だが、広治氏はフライデーに対して、こう答えている。<「私の実母は、自分の意思で私が13歳のときに私と妹を残して、家を出て新しい家庭を持ちました。(中略)離婚成立後30年近くすぎているにもかかわらず、私が扶養を含め(実母の)面倒をみるのは、父親を裏切ることになると考えています」>

   父親は彼女は不倫をしていたと思っていて、着の身着のままで追い出したそうだが、秀矩氏は「母が再婚相手と親しくなったのは離婚後」だと聞いているそうだ。

   真相は当人にしかわからないが、広治氏のいい分は筋が通っていると思う。だが、肉親の情がいくらかでもあればと私は考え込んでしまうのだ。

死者7人の川崎・簡易宿泊所全焼!「2000円で自炊できてありがたかった」

   5月17日未明、川崎市にある簡易宿泊所「吉田屋」から出火して隣接する「よしの」まで焼き尽くし、現在わかっているだけで7人の遺体が発見されている。「よしの」で5年暮らしていた40代のNさんは福井県出身で、高校卒業後にライン工として働いていたが、父親の連帯保証人になったことが原因で失職し、妻とも離婚、一時はホームレス生活も経験し、人生に悲観して自殺を試みたこともあるという。

「着の身着のままで必死に玄関へ向かって走りました。荷物は全部、部屋の中です。サイフの中には生活費が6万円くらい入っていたのですが、焼けてしまいました」(Nさん)

   「吉田屋」は1泊2000円前後で、中には10年以上も暮らしている人もいたそうだ。80代の男性がこう語る。「吉田屋は、コンロや炊飯器があって自炊できるから宿泊費以外のお金がかからず、生活保護者にはありがたかった」

   フライデーによれば、生活保護受給者には川崎市から当座の生活費として2000円が貸し出された(2万円の間違いじゃないの?)ほか、計5~12万円の見舞金が支給される見込みだという。

   ポツダム宣言など読んでなくてもいいから、安倍首相にはこうした記事を読んでほしいと思う。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

姉妹サイト