日本動物園水族館協会(JAZA)はきのう20日(2015年5月)、和歌山県太地町の追い込み漁で捕獲されたイルカの入手を禁止することにした。世界動物園水族館協会(WAZA)は追い込み漁は倫理規定に違反するとして、購入することをやめなければ除名すると通告していた。
残留するか、離脱するか。JAZAは加盟する152施設(水族館63、動物園89)で投票した結果、残留99票、離脱43票となった。これによって、イルカの入手は断念し、今後は繁殖方法を推進していかねばならなくなった。半面、WAZAのネットワークによって、海外の動物との貸し借り交渉や繁殖などの協力をすることはこれまで通りに可能だ。
アメリカは繁殖のみ。イギリス・オーストラリア展示禁止
ただ、イルカの繁殖は技術的にかなり難しい。太地町の「くじらの博物館」ではイルカを50頭飼育しているが、47頭が追い込み漁で繁殖は3頭のみ。イルカがいる他34施設のうち18施設が太地町から入手しており、繁殖の経験があるのは14施設しかない。
これから繁殖を始めようとしても、子供用のプールを改造したり、繁殖用プールを新たに造ったり、妊娠、飼育のスタッフも必要になりコストがかかる。日本以外では原則として繁殖で確保している。アメリカは1993年から繁殖のみ、イギリスは1993年から展示を禁止、オーストラリアは1985年から展示禁止、イルカを傷つけると最大罰金約1050万円、懲役2年という罰則がある。
司会の小倉智昭「イルカは頭のいい人気者ですから、水族館にいなくなると寂しいことになりますね」
宋美玄(産婦人科医)「子どもたちはイルカを物凄く喜ぶが、もしかしたら、日本中でどこでもイルカを見られるということは難しくなるかも知れませんね。それはそれとして、仕方ないかも知れないませんね」