中国人観光客の素行が悪すぎると、中国政府がとうとうブラックリストを公表した。国家観光局が公式ホームページには「観光客マナー違反行為記録」とあり、名前、性別、出身地、具体的なマナー違反や違法行為が書かれている。これに載ると、出国や銀行取引が制限される可能性があるという。掲載期間は2~10年というから、ほとんどまともに暮らせなくなる厳しさだ。
観光局は悪質事例のブラックリスト公表!10年間出国停止
リスト第1号に載ったのは4人だった。
(1)昨年12月(2014年)、タイ・バンコクから南京行きのタイ・エアアジア航空の機内で、カップ麺にお湯を頼んだ女性は、湯が有料と知って怒り出し、乗務員にカップ麺をかけて罵倒、脅迫した。(2年間公開)
(2)一緒にいた男性も乗務員と口論になり、「航空会社の責任だ。飛行機を爆破して墜落させる」と脅した。機はバンコクへ引き返した。(2年間公開)
(3)今年1月、昆明を出発する航空機の非常ドアを男性が開けた。「冷房が止まって息苦しかった」というのが理由だった。(2年間公開)
中国国内では非常ドアを開けるトラブルは多く、今年もすでに12件起きている。その理由というのが、「トイレに行きたかった」「早く家に帰りたかった」「レバーを触ってみたかった」などだからあきれる。
(4)いちばん悪質とされ、10年間の実名公開となったのが陜西省の男性で、今月1日(2015年5月)、観光地にあった中国建国に関わった軍人像の頭に腰掛けて写真を撮っいていた。
富坂聡・拓殖大教授はブラックリスト公開の理由をこう解説する。「中国人の悪いイメージが定着してしまうと、国際社会で役割を果たそうとしたときに、足を引っ張ることになるんじゃないか心配しているわけですね。一罰百戒を狙ったもの」