横浜市戸塚区に住む高校1年の少年(15)が、祖母(81)と母親(50)を刺殺したのは、中間テストの朝で「祖母からゲームのやり過ぎを注意され腹を立てた」ことがきっかけだった。
警察は「衝動的な犯行」と見ているが、日頃から祖母や母親から「ゲームばかりやっていないで勉強をするように」と注意され、鬱屈した状態だったらしい。リポーターの大竹真は「知人への取材で、家族環境が徐々に見えてきました」と伝える。
祖母の援助で一戸建てマイホーム購入
一家が現在の場所に移り住んだのは十数年前だった。祖母の援助もあって1戸建ての家を購入し、祖母も同居するようになった。母親の知人らは母子間にドラブルはなかったと話し、「本当に真面目な方。いつもコツコツ何かをやっている方に見えました」という。
「一人で公園で黙々とボランティアで雑草取りとか花壇の手入れとかをしてくれていました。その姿を旦那さんに『奥さんは一生懸命やってくれているね』と言ったら、『うちのかみさんは農家の出だから、好きでやっているんだろう』なんて調子だったですけど」
家庭内で祖母の発言権は強く、日頃から「『自分の息子は頭がいい。いいとこの学校でたから』と言っていて、孫にも『お父さんみたいになりなさい』って。厳しいっていうよりきついって言った方がいいかな。高校受験も最初は落ちたんですよ。知人が『お孫さん受かりましたか』って聞いたら、『知らん!』って怒られちゃった」(近所の住民)
ゲーム機取り上げられ強い干渉
少年の小中高校の同級生は「テストの始まる前になるとゲームを全部没収されたと愚痴を聞かされていた。自分が楽しむものとか取り上げられていたみたいで、結構長い間『勉強しろ』と言われ続け、自分の中に溜め込んでいたのが一気に爆発したって感じだと思います」と話している。
宮崎哲弥(評論家)「母親からゲーム機を取り上げられ、祖母からは強い干渉があったのではないかと思いますね。心も体も変わる思春期の彼にとって、非常に大きな束縛、桎梏だった。ここから何とか脱出したいという思いで爆発したパターンではないでしょうか」。
15歳というと知恵はまだ少年だが、自我が確立し始め、親といえども導くのは難しい。