フィギュアスケートの浅田真央(24)はきのう18日(2015年5月)、会見して競技への復帰を宣言した。昨年のソチ五輪のあと、現役続行は「ハーフ、ハーフ」といっていたが、1年経って心をとらえたのは「競技での達成感」だという。当然、次の五輪が視野にある。やり残したことがあることは、世界中が知っている。
佐藤信夫コーチ「これからどう変わっていくのかな」
浅田は「100%復帰するつもりで練習している」「1年間休養して、自然と試合が恋しくなった。いい演技ができた時の達成感をまた感じたいと思うようになった」と話した。先輩の伊藤みどりからのアドバイスをあげ、「印象に残っている言葉が2つある。ひとつは継続は力なり。もうひとつは後悔しないように決断しなさい、やりたいと思ったらやったほうがいいよ言われました」と、これが背中を押したと明かした。伊藤はかつて2度引退・復帰をしている。
しかし、競技の環境はこの1年で大きく変わった。世界でも日本でも若手の台頭があり競争は激烈だ。むろん、それは百も承知。「去年の世界選手権のレベルまで、最低そこまではもっていかないと試合には復帰できないと思ってます。それが目標です。今の時点でオリンピックは考えていません」
TBSのラジオ番組「赤江珠緒 たまむすび」では「いろんな方とで会っていろんなことを学ぶことができた1年だった。スケート選手をしていたらできなかったこと」と話していた。同時に「休んだからこそまたやりたい。スケートが本当にやりたいんだなと思った」とも。
この1年、ショーには出たが競技には出ず、大学に復学して1人暮らしを始め、京都旅行をしたり姉の舞さんとニュージー ランド旅行にもいった。3月に卒業し、テレビやラジオ、イベントにも出た。昨年暮れに再開した練習の調子がよく、「よりハーフハーフ」などといってもいた。今回の復帰を佐藤信夫コーチは「随分変わったところも見えるし、昔通りもある。これからどう変わっていくのかな」と話している。
復帰はグランプリ・シリーズか12月の全日本選手権
赤江珠緒キャスター「(ラジオ番組では)自由を楽しんでいる感じでしたけど、きのうの会見はすっきりした表情でした」
スケート解説者の佐野稔氏は「決めちゃうと人間、強くなる」「もしソチでのショート(の失敗)がなかったら、あの決断はなかったかなと思いますね。集大成のはずがショートで出なかった。フリーが素晴らしかっただけに、やりきってないというのが残っているんじゃないでしょうか」という。
司会の羽鳥慎一「復帰をみんな喜んでると思うんですが、もう1回厳しいところへ自分を追い込むことになるわけですよね」
佐野「アイスショーより、試合の緊張感が好きなんでしょう」
羽鳥「それをエネルギーにできる」
佐野「今回はいつ復帰するといってない。この1年で大人になった。それがスケートに絶対出てくると思います」
実際の復帰はいつか。秋からのグランプリ・シリーズ、12月の全日本選手権には世界選手権代表がかかる。過酷な日常の始まりだ。