「ボク、ドラえもん」と独特のしわがれ声で初代ドラえもんを26年間務めた声優の大山のぶ代(78)が認知症であることを、夫の俳優・砂川啓介(78)がきのう13日(2015年5月)にラジオ番組で明らかにした。2分前のことを覚えていることができず、得意だった料理もダメだという。
番組はTBSラジオの「大沢悠里のゆうゆうワイド」(月~金あさ8時30分)で、2週間前の収録という大山の声は、「きょうは砂川さんの歌を聴いてくれてありがとう。それではまた会いましょう。バイバイ」と変わらぬドラえもんだ。これは砂川の新譜CDにつけたメッセージだった。
脳梗塞で倒れひどくなっていった物忘れ
砂川は「変わってない。元気なんだ。短いセリフは台本を見ながらだとやれると思うし、意欲もある」と話すが、「2分前のことを覚えてない」という。
大山は01年に直腸がんを患い、08年に脳梗塞で倒れた。そのリハビリの過程で物忘れなどがひどくなったが、砂川は脳梗塞の後遺症だと思っていたという。09年5月には夫婦でテレビ朝日系のワイドショー「スーパーモーニング」に出演した。そのとき砂川は「まだ言葉を思い出せない部分がある。だいぶ治ったんだけど」と話し、大山も「『あの、あれ』ってなっちゃう」と笑っていた。
その後、ゲームやアニメの声優に復帰したのだが、「いまは2分前のことを覚えてないから、『これ、だめなんだよ』といっても、『私はやってない』って怒る。わざとかと思ったら、本当にやってないんですよね、自分では」と砂川は話す。
留守番もできない。「電話に出てもちゃんと答えられないから」。得意だった料理もまったくできない。洗い物でも大雑把(認知症の特徴)で、洗剤も使わなかったりするから砂川が洗い直す。風呂も1人では入れないし、入りたがらない。汚れているという意識がないという。
目下は砂川とマネージャーが介護する状態が続いている。もともとがんばり屋で、「頭も悪くないし、それがまったく正反対になっちゃったんですからね」「本人も自覚はしてると思います」
早期発見で進行遅らせること可能
司会の羽鳥慎一「私たちの年代だと、ドラえもんの声は大山のぶ代さんだという認識ですよね。高木さん、認知症の活動もしてますよね」
高木美保(タレント)「お医者さんと一緒にね。認知症予防にいいこと、お料理とか人前に出るとか話をするとか、大山さんはそれらを全部やってた人で、およそ認知症とは縁がないと思っていただけに、わからないものだなと思いますね。ただ、早く発見すると進行を遅らせることができるんです」
赤江珠緒キャスター「公表は躊躇されたそうですが、親友の毒蝮三太夫さんから『ひとりで背負ったらお前が先に逝ってしまう』と諭されてのことだということです」