芸能プロダクションの元社長が15歳の中学生にワイセツ行為を働いた疑いで逮捕された。芸能界入りの夢を叶えてやると甘言で騙す手口は昔からあったが、「今回の手口は卑劣なものでした」と取材した阿部祐二レポーターが伝えた。
児童福祉法違反の疑いで逮捕されたのはフィリピン国籍の田代仁ことベレン・オリバー・オリベッティ容疑者(37)。スカウトした15歳の中学生に「中学生でそのスタイルなら必ず売れるよ。オレが売らせてあげるから」といい、「モデルの子はみんなやっていることだから、誰にも言っちゃダメだよ」と、4か月にわたってワイセツ行為を繰り返していた。田代は容疑を否認している。
20歳の所属女性には「仕事干すぞ」と売春強要
被害を受けた女性はほかに20人もいて、阿部がそのうちの20歳の女性に話を聞いた。女性はモデルを夢見てオーディションに応募し、そこで田代と知り合った。田代から「新しい雑誌を作るから専属のモデルにならないか」と持ちかけられ、「そのためにはお金の契約とオレの彼女になることが条件」と言われ、100万円を要求され、ワイセツ行為もさせられた。
「『オレの彼女』というのは、自分がワイセツ行為をしたい時にいつでもできる相手で、『打合せするからおいで』と言われて夜中に駐車場でて・・・。半年以上続き、断ると『仕事を干す』と言われました。辛かったけど、最初に専属になれると約束したので、それを信じてやるしかないのかなと思っていました」
さらに卑劣なのはここから。100万円の契約料を捻出できないというと、「身元がばれたくないお金持ちばかりが登録している交際クラブを紹介するから」と言われ、女性は渋々従った。「私が知っている限りでは、下は100万円、上は500万円支払っている人がいた」という。もちろん専属モデルなんて真っ赤なウソで、女性が雑誌の表紙を飾ることはなかった。女性は「被害者の会」に参加して被害を訴えている。
芸能ジャーナリスト・井上公造「付いて行ってはダメ」
司会の加藤浩次「どうしたらいいんでしょうかね」
芸能ジャーナリストの井上公造が次のように答えた。「名刺に有名芸能プロダクションを偽造しているケースもあります。自分の住所は絶対に教えないこと。いったん親に相談し、あらめて連絡すると言って相手の名刺をもらって帰る。帰ったらホームページで相手の事務所に、知っているモデルが所属しているかどうか確認することが大事ですね」
国民生活センターには芸能関係で「仕事がまったくもらえない」「登録料を返してもらえない」などの相談がここ5年間、毎年700~900件も寄せられているという。