リタイア対策「アパート経営」パックリ口開けてる落とし穴!入居者集まらず家賃保証もウヤムヤ

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法律の規制なくサブリース野放し

   不動産コンサルタントの長嶋修さんはサブリースの問題点を指摘する。「事業者側は建ててもらった時点で利益を確保しています。後はサブリース契約ですが、この契約には厳格な説明を規制する法律がないのです。売買契約ならば宅建業法で説明義務が厳しく課されていますが、サブリースを含む賃貸管理では登録義務も任意規定だし罰則もありません。さらに、大家さんは事業者と見なされるので、消費者としての保護を受けないんです。法律のエアポケットになっています」

   国谷裕子キャスター「国土交通省ではこうした事態についての議論は進んでいるんですか」

   長嶋さん「今のところ出てないと思います。この番組で社会的な問題意識が醸成されていけばいいなと思っています」

   国谷「今後、家賃の水準はどうなっていくんでしょうか」

   長嶋さん「日本全体の不動産価格は今後20年、30年ずっと落ちていきます。人口が減って需要がなくなるのだから仕方のないことです」

   このままアパート建築が続くと、2030年以降、空き部屋率は41.8%になるという試算もあり、この事態を防ぐには「着工数を現在の3分の1に減らさなければならない」と見られている。

   野村総研の榊原渉氏はこう言う。「無尽蔵に住宅地をどんどん開発していくということも、これからは考え方を改めなければいけないかもしれません。日本の住宅供給の仕組みを変えていかなければならないでしょう」

   国谷「根本的な原因はどこにあるのでしょうか」

   長嶋さん「平たくに言うと、『量の管理』を誰もやってないことにあります。予測は簡単につくのに、これをやってないのは先進国では日本だけです。今すぐにでもやるべきです」

   長嶋さんは最後に、アパートの建設を考えている人は「契約の条文は面倒でも一つ一つ見て頂きたい」とアドバイスした。

(ビレッジマン)

*NHKクローズアップ現代(2015年5月11日放送「アパート建築が止まらない~人口減少社会でなぜ~」)

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