御開帳法要が行われている最中の善光寺(長野市)境内で9日朝(2015年5月)、僧侶らの行列の真ん中に小型無人飛行機「ドローン」が落下した。大勢の参拝客が行列を見守っていたが、幸い誰にも当たらずケガ人はなかった。
その後、ドローンを操作していた少年(15)が「画像を撮る練習をしていた」と近くの交番に名乗り出た。寺側が被害届を出さなかったために、警察は少年に厳重注意をして帰した。
私有地上空はもともと飛行禁止
取材したレポーターの阿部祐二「たまたま僧侶らが間隔を置いて練り歩いている間に落下したためにケガ人が出ませんでしたが、ぎっしり詰めかけていた一般参拝客の中に落下していたらケガ人が出たのではないでしょうか」
少年は落下地点から300メートルほど離れた空き地で操作していて、落下直前に「ちょっとバッテリーがまずいので、いったん(ドローンを)戻します」と話していたことが分かっており、落下原因はバッテリー不足らしい。
政府は「飛行禁止区域を設ける」「所有者が特定できるようにする」の2点を中心に、規制へ向けて検討を進めている。司会の加藤浩次は「対策の線引きは難しいと思う」と規制には懐疑的だ。
しかし、弁護士の菊池幸夫は「善光寺は私有地で、上空を飛ばすのにも所有者の許可が必要です。基本的には自由に飛ばせるものではないという認識が必要だと思いますね。災害とか有効な力を発揮するところで、許可制とか免許制にするなど規制は不可欠ですよ」
面白半分にブンブン飛ばされ、いつ落下するかわからないでは道も歩けない。禁止区域を設定するよりも、都市部では原則的に飛行禁止にし、災害地や工事現場、人の少ない河川敷など飛行可能な場所、時を狭く設定したほうがいいように思う。