箱根だけでなく、山形・宮城県境の蔵王山も噴火警戒レベル2だ。蔵王温泉は山頂から4キロ離れていて安全圏のはずが、旅館のキャンセルが続出して閑古鳥が鳴いている。閉館するホテルも出た。
昨年10月(20154年)、蔵王山の御釜(噴火口)の水面に部分的な白濁が認められ、火山活動を示す微動も増えたため、仙台管区気象台は先月13日(2015年4月)、噴火警報「火口周辺危険」を出し、御釜から1.2キロを避難勧告区域とした。
キャンセル続きで閉館決めたホテル
ホテル、旅館のキャンセルが相次ぎ、例年ならゴールデンウイーク中は人であふれる蔵王温泉街から人が消えた。この時季は山形から宮城へ抜けるエコーラインの残雪のカベが呼び物なのだが、これが「危険」区域にひっかかって閉鎖されてしまった。
大型連休最終日のきのう(6日)、岡安弥生が温泉街をリポートしたが、まったく人影がない。足湯もだれもいない。ホテルのロビーも食堂もがらんとしている。ホテルの予約簿はキャンセルの赤線が並んでいた。
先月20日には閉館を決めたホテルが出た。客は修学旅行やスキー教室など学生の団体客が6割を占めていたが、昨秋からキャンセルが続き、経営の見通しがたたなくなった。廊下には浴衣や布団が無造作に置かれていた。従業員はもちろん、食材店、クリーニング店など影響は大きい。観光協会は「風評被害です。蔵王温泉存亡の危機。温泉地が崩壊してしまう」という。
文
ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト