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「能年玲奈」事務所独立!月給5万円でパンツも買えなかった「あまちゃん」時代

   お次も週刊文春から。NHKの朝の連続テレビ小説「あまちゃん」で一躍国民的アイドルになった能年玲奈(21)だったが、いま能年の姿を見ることができるのは「あまちゃん」の再放送とテレビCMのみだという。NHK朝の顔に何があったのか。

   週刊文春は能年と彼女が所属する事務所レプロエンタテインメントとの間でトラブルが起こっていると報じている。「あまちゃん」の撮影は過酷で睡眠時間は平均3時間、しかしもらう月給は5万円だけだったそうだ。撮影中こんなことがあったという。

<撮影が終盤に入り佳境を迎えた四月、ついに能年はパンクした。

   この時、能年が弱音を吐いて頼れるのは、折りにふれて演技指導受けてきた滝沢(充子・レプロのタレントたちのレッスンを担当していた=筆者注)しかいなかった。

   深夜、滝沢に電話をした能年は泣いていた。

「寮の乾燥機が壊れて、もう明日のパンツがない」

   コンビニで買えばいいと言う滝沢に能年は訴えた。

「財布には二百円しかない」>

   こうした状況の中で能年はレプロへの不信感を強めていった。経験の浅いマネージャーが現場に出されることが多かったり、現場マネージャーが次々に替わるうえ、移動の時にいない、先に帰ってしまう、画面に映り込んでしまうなどトラブルが続出した。共演者やスタッフに、能年が謝って回ることも少なくなかったそうだ。

   週刊文春によれば、何度か話し合いが持たれたが、Sマネージャーは能年にこう宣告したという。<「今後は単発の仕事しか入れられない。長期(連続ドラマなど)は入れられない。『あまちゃん』の視聴率は高かったから評価していますよ。でもお前は態度が悪いし、マネージャーと衝突するからダメだ。事務所に対する態度を改めろ」>(週刊文春)

   そして、決定的な事件が起きたという。当時累計4000万部を突破する人気漫画「進撃の巨人」の映画化の話が持ち上がっていて、制作陣の間で、女性人気キャラクターであるミカサ役に能年の起用が検討されたそうだ。能年に知人を通じてこの話が届いたのだが、レプロは能年が事前に接触したことを問題視してオファーを断ってしまった。

   そんなこんながあって「事務所を辞めたい」と意思表示した能年とレプロの本間憲社長が話し合いを持つが、その席で激昂した本間社長が廊下まで能年を追いかけこう吠えたという。<「負け犬! お前はそんなんだからダメなんだな。逃げたな!」>

   本社を飛び出した能年はタクシーを拾うと、滝沢に号泣しながら経緯を語ったそうだ。

   そうしてやっと「三毛andカリントウ」という事務所を作り、滝沢が取締役に入ったが、こんな噂が芸能界を駆け巡ったという。<能年は、演技指導の滝沢に洗脳されている。滝沢の家に同居し、レプロが仕事をオファーしても、滝沢が断らせている>(週刊文春)

   右も左もわからない小娘を一から教えて、ようやくこれからカネになるという矢先に独立されたプロダクション側の怒りもわからないではないが、やり方が稚拙すぎると思う。

   週刊文春が「能年さんは仕事を断っているのですか」と声をかけると、能年は記者に向き直り、こう答えたそうだ。<「私は仕事をしてファンの皆さんに見てほしいです。私は仕事がしたいです」>

   小泉今日子がエッセイで能年にこう呼びかけている。<私の場合は、苦い思いも挫折も孤独も全て飛び越えて早くこっちへいらっしゃいという思いで能年ちゃんを見守る。まさに「その火を飛び越えて来い!」という気持ちで待っている。すぐに傷の手当てができるように万全な対策を用意して待っている>

   バーニングプロダクションで鍛えられてきた小泉ならではの「応援歌」である。NHKの朝ドラで出た女優は育たないというジンクスがある。能年と事務所のトラブルは知らなかったが、ドラマや映画に出た能年は「あまちゃん」で見せたような生き生きとした躍動感が薄れ、普通の女の子になってしまった気がしていた。これを機に新しい魅力を出せる女優として羽ばたけるか、能年の正念場はこれからだ。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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