「たま駅長」の名前で一躍全国ブランドになり、赤字ローカル線の危機を救った和歌山電鐵・貴志駅の三毛猫「たまちゃん」がきのう29日(2015年4月)に16歳となり、盛大な誕生会が開かれた。このところ海外でも人気らしい。
海外のガイドブックや新聞「かわいいネコ」「ご利益のある招き猫」
「たま駅長」就任は2007年。これをきっかけに、乗客減に悩んでいた貴志川線に全国から人が来るようになり、各地で亜流を生む波及効果も大きかった。きのうも約400人のファンが集まったが、何やら雰囲気が違う。どこから来のか聞いてみると、「香港から」「台湾から」という。
「ええっ、和歌山の貴志くんだりまで!(失礼)」と思わず言いたくなるが、「たまちゃん」を見た女性たちは日本語で「かわいい」なんてご機嫌で、屋根がネコの顔を模した貴志駅の駅舎の前で記念写真に収まっていた。アジアを中心に、たまちゃん目当ての各国からの観光客は昨年は2.5倍という盛況だ。
両備グループの小嶋光信会長は「時間帯によると、どこの国の電車なんだろうと思うくらいいろんな言葉が行き交って、本当にインターナショナルな鉄道になりました」という。外国メディアの取材も「200は超えてるんじゃないですか。年間20~30件ですから」
和歌山の人でも乗らないローカル線になぜやってくるのか。「ガイドブックに貴志駅が有名と書いてあった」「かわいいネコと書いてあった」「ご利益があるネコと紹介されていた」と香港の観光客がいう。香港の新聞が「ご利益のある招き猫」と書いたのが大きいらしい。
和歌山県では外国人宿泊者数が14年に初めて30万人を超え、そのほとんどが「たま効果」だという。