京都・清水寺でも27日(2015年4月)、国宝の本堂の床や重要文化財の仁王門など3か所で油がまかれているのが発見された。清水寺の坂井輝久学芸員は「文化財に対する冒涜だ。日本の文化に対する挑戦だと思う」と怒っている。清水寺では新たに描かれ完成した「清水寺平成縁起絵巻」が25日から本堂で公開されている。これに対する嫌がらせとも見える。
これまで、油をまかれる被害は奈良で19件、京都4件、千葉3件、兵庫2件、香川、和歌山、滋賀、福井、静岡、茨城、新潟で1件など11府県に及んでいる。
奈良の複数の寺でおなじ不審者映像
奈良の8件の寺で採取した油のような液体の成分を分析したところ、同一種類のものである可能性が高い。液体によってできたシミの修復は難しく、修復不能のケースもあるという。また、先週には、寺の防犯カメラに特徴のよく似た不審人物が映っていた。
東京大のロバート・キャンベル教授「昔からずっと守られ愛されてきた建物に、油だったら一体化して抜けないことが分かりながら一つひとつ回って撒いているんですよね。エスカレートするのが心配。映像が公開できるならばみんなで協力して早く捕まえないといけない」
警察は器物損壊より重い文化財保護法違反の疑いで捜査している。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト