「高崎健康福祉大学」福祉・医療に特化して海外の大学と提携
指定されていない新参の4年生大学が自ら国際化を図り、10年で志願者数を8倍に増やしたところもある。群馬県高崎市の高崎健康福祉大学である。前身は地元女性が通っていた女子短期大学で、10年前には志願者数が半減し定員割れに陥った。大学の存在意義が問われるなかで、地元に貢献できる福祉や医療に特化し、高い技能を持った職業人の育成を図る4年制大学に生まれ変わることにした。
いま東アジアで需要の伸びが高い漢方薬の分野でグローバル化に取り組んでいる。薬草園では120種類以上の薬草を育てて生薬の研究を進め、3年前にはベトナムの薬科大学と提携した。多種多様な薬草があるベトナムで生薬を素にした新薬の共同開発に取り組んでいる。
さらに、ベトナムの生薬のほか、インドネシアの看護、フィンランドの介護、ドイツのリハビリなど特定分野で評価の高い学校に学生を留学させ、高い技術を身につけさせる展開をしている。看護師や理学療養士の国家資格合格率は全国平均を上回るようになり、今年4月からは訪問看護のエキスパートを要請する施設を作った。
専門制にこだわったことが成功した秘訣のように見えるが、では指定を受けた大学は成果をあげられるのかどうか。国谷裕子キャスターは「37の大学に対し1000億円の巨額な予算。お金がかかりますね~。どこまで成功か、失敗か。評価は難しいでしょうね」と筑波大学の加藤毅准教授に聞いた。高等教育政策の専門家だ。「国際化はお金がかかります。留学でまずお金がかかり、奨学金の支給でもお金がかかる。キャンパスのグローバル化で育つ学生がどう変わるか。できれば目に見える形で現わればいいのですが判断は難しいでしょう」
モンブラン
*NHKクローズアップ現代(2015年4月22日放送「どう育てる?グローバル人材~始まった大学の模索~」)