きのう20日(2015年4月)朝、東京・世田谷の環状7号線でワゴン車が突然歩道に乗り上げ、2人の男性をはねて別の車に突き当たって止まった。運転していた52歳の男性は足が立たないような状態で、脳梗塞の疑いがあるという。中高年のこうした事故は少なくない。
交通事故原因の約1割「体調不良」
現場は登校の子どもたちの集合場所だったが、幸い時間がズレていた。はねられた40代の男性は意識不明の重体だ。ワゴン車に同乗していた運転者の妻は、「(夫には)脳梗塞の症状があり、運転中に気分悪くなり、車を左に寄せようとしているうちに意識を失った」と話している。目撃した人たちによると、男性はシートベルトにぶら下がるようにして出てきて、フラフラと泥酔状態のように見えたという。
滋賀医科大の一杉正仁教授によると、交通事故の約1割はこうした体調変化が原因だ。職業運転者では脳血管障害、脳梗塞を含む脳卒中の類いが多い。発作や急病による事故は2014年254件だったが、脳血管の障害が51件をしめた。
フリーアナウンサーの沼尾ひろ子さんは、運転中に感じた異常がじつは脳梗塞で、それから失語症になった体験を書いている。事故にならなかったのが幸運という。一杉教授は運転中の異常の7割以上が回避行動(ハンドル、ブレーキ)が操作できないというもので、車はそのまま暴走し続けるということだ。
文
ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト