大阪・堺市内の自宅で13日夕(2015年4月)、89歳の母親が倒れているのを息子が発見し119番通報した。母親は何者かに首など10数か所を刺され死亡していた。さらに、翌14日未明、隣りに住む86歳の男が数メートル離れた池の近くで服に火を付け焼身自殺を図った。池に飛び込んだため命に別状はなかったが、母親を刺したのはこの男と見られる。男も「トラブルになっていた」と供述している。
家賃取らずに住まわせていたがトラブルに
殺害されたのは木村千寿子さんは3人の子どもがいて、三男と二人暮らしだった。夫は他界している。娘は13日午前9時半ごろに母親に電話した時は元気だったと話しており、倒れているのが発見された午後6時半までの間に刺されたらしい。
娘は「母親は私たち子どもや孫のこと、自分の妹、弟のことを優先させて自分のことは後回し。身を粉にして働き優しい人でした。トラブルなんて聞いたことがないし、トラブルを起こすような母ではなかった」という。知人の女性も「いいおばあちゃんだったわ、会うたびに『遊びにおいでよ』と言ってくれるんですよ」
殺害したとみられる男は、近所の住民は「普通のおとなしい人。一人暮らしで、家もきれいにしていた」と悪い評判はない。ただ、男が住んでいる家は千寿子さんの所有で、家賃も取らずに住まわせていたらしいが、2人の関係については家人もよくわからないらしい。
先進国で日本特異!「高齢者の凶悪事件増加」
宮崎哲弥(評論家)「高齢者による殺人や強盗などの凶悪事件は、世界的には減少傾向にあるのですが、日本はなぜか増えているんです」
1993年から2013年の20年間で65歳以上の高齢者人口は1500万人から3000万人と2倍に増加し、この間の65歳以上の検挙者数(8割は万引き、窃盗犯)は9314人から4万6243人と4.5倍増、殺人の検挙者数は58人から156人3倍増となっている。
宮崎「殺人という行為はエネルギーがいるが、高齢者がいつまでも元気でいる悪い側面、ダークサイトの側面が出ているのかもしれない」
高齢者にとって肩身の狭くなるような分析だが、元気を殺人に結びつけるのは短絡的だ。