「ペットボトルのキャップを集めて、途上国の子どもにワクチンを送ろう」と呼び掛けておきながら、収益金が2年近くもワクチンに回っていなかった。9100万円はどこに使われたのか。
NPO法人エコキャップ推進協会が行っている運動に疑義ありと週刊誌に報じられ、先週10日(2015年4月)に協会の矢部信司・理事長ら幹部が説明会見をしたが、「ワクチンではなく障害者支援に回していた」という。まるで説明になっていなかった。
途上国の子ども助けるはずが・・・
この運動は女子高生の発案が発端で、NPO法人もできて組織化された。全国8万4000の団体・個人からこれまでに123億個のキャップを集める大きな運動になった。集められたキャップはリサイクル工場へ送られ、再生されてさまざまな商品の原料になる。その金の一部が途上国の子どもにワクチンを提供している国際支援団体に贈られる。キャップ860個で1人分のワクチンだ。
ところが、2013年9月から協会から支援団体への送金が止まった。支援団体の伊藤光子・事務局長は「1年7か月、寄付は来てません。12年度分は3500万円でした。これは175万人分のポリオワクチンに相当します」と話す。団体は再三にわたって説明を求めたが、答えは得られなかった。
06年には5万円台だったが、11年は3800万円、12年は3500万円にもなっていた。それが13年からストップした。この間、9100万円の収益があったはずといいう。協会は寄付をしていないにもかかわらず、支援者には「ワクチン何人分」という受領書を発行していた。
ロンブー田村淳「キャップを託してくれた皆さん、もうしわけありません」
これまで協力してきた人たちのショックは大きい。一生懸命集めていた小学生は、「使われなかったんだ」「違うことに使われていたら悲しい」(東京の小6)。千葉・君津市の教育委員会も「ウソをつかれていた」という。芸能界で「エコキャップ回収イベント」をやっていた「ロンドンブーツ1号2号」の田村淳は、これまでに約31万個を寄付していた。「ボクを信じてキャップを託してくれた皆さん、もうしわけありませんでした」とツイッターで書いた。
矢部理事長は「心配、疑惑、不信感えお深くお詫び申上げます」といったあと、「2013年度、14年度はワクチンの寄付をしていません。障害者支援ということに力を入れさせていただきました」とおかしなことを言う。会見で岡安弥生レポーターが「目的が変わっていたわけですよね。子どもたちの気持ちをどう思っているのでしょうか」と追及したが、「エコキャップは素晴らしい運動です」などと答えをはぐらかすばかりだった。
司会の羽鳥慎一「子どもが言っていたのは正論というか、だったらちゃんというべき・・・」
石原良純(タレント)「協会の人はちゃんと答えていませんよね。リサイクル運動はすばらしいんだというが、その話じゃない。そもそもの協会の目的を変えてしまったと いうこと。そこに何があるのかなあ」
赤江珠緒キャスター「変わったという報告があればよかったと思うんですが」
住田裕子(弁護士)「目的を変えていると、厳密にいうと詐欺になります。目的外使用では済まない部分がありますね」「NPO法人でも明細ははっきりしないと。障害者支援は素晴らしいことだろうが、このままだと支援がこなくなってしまう」
石原「子どもたちがやる気をなくしたら元も子もない」