古賀茂明まだ言うぞ!「報ステ新CPは『上の意向』窺うばかり。テレ朝は死んだ」
元経産省の古賀茂明氏が古舘伊知郎の「報道ステーション」で、官邸の圧力や早河テレビ朝日会長、古舘プロジェクトの佐藤会長を批判したことが、波紋を広げている。先週は週刊文春、週刊新潮の報道の違いについて触れたが、週刊現代も今週号で報じている。こちらは古賀氏のいい分に寄り添った記事づくりである。古賀氏がこう語る。
<「私が月に1回報ステに出るかどうかなんて小さな話ですよ。問題の本質は、今、政治権力が容赦ない圧力と懐柔でマスコミ各社のトップを押さえ、その結果、現場の記者たちが戦うことを避けて自粛してしまっていること。こうした状況が続いて、いつしか圧力にさらされているのを自覚することさえできなくなった。その結果、マスコミが、国民にとって極めて重大であるはずの真実を報じられなくなっていると訴えたかったのです。
そして、そのカギとなる人物は、官邸にいる政権幹部、テレビ朝日、古舘プロジェクトのトップなんです」>
これまで古舘と古賀は安倍官邸に反旗を翻す最強タッグだったが、そこに亀裂が入ってしまったのだ。いまの官邸は鬼の首を取ったようなはしゃぎようだという。<「早河会長は3月31日の会見で『菅官房長官にお詫びしないといけない心境です』と語った。つまり、白旗を掲げたのです。官邸はこれまで、『敵は朝日新聞と報道ステーション』と思っていましたが、昨年夏には朝日新聞が自壊し、続いて報ステが倒れた。これで大手を振って安倍独裁体制に突っ走れるというわけです」(官邸担当記者)>
テレビ朝日の現場も青菜に塩だという。
<「新しいCPは『上の意向』を窺うばかりで、まるでNHKのような無難なニュース放送を目指しています。もうテレ朝は死んだも同然です」(番組スタッフ)>
文藝春秋5月号でジャーナリスト・上杉隆氏がこの問題について書いている。その中でも古舘が変節して官邸の圧力に屈したと批判しているが、驚くのはテレビ朝日から古舘プロジェクトへ支払われている金額の多さである。上杉氏によると、総額は年間30億円弱で、その中で古舘の「出演料」は約12億5000万円という巨額なものだそうだ。
これだけもらっていては、反原発や反権力を貫き通し「平気で命を落とす」(古舘が2月22日の番組反省会の席上で語ったといわれる)覚悟ができないのはよくわかる。だいたいテレビに権力チェックなんてことを期待するほうがバカだということだ。