「赤ちゃんポスト」8年!託された100人のその後・・・国のフォローまったくなし

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   親が育てられない子供の命を救うためとして、熊本市内の病院が8年前に設置した赤ちゃんポスト。誰にも知られずにいつでも匿名で子どもを預けられる仕組みで、これまでに100人以上が預けられたという。新生児が約8割だが、小学1年生や就学前の幼児も6人いた。

   預けられた子どもたちのその後はどうなるのか。病院から児童相談所へ、そこから児童養護施設に行き、最終的には里親、特別養子縁組ということになる。あらたな家庭で充実した生活を送り、「赤ちゃんポストに入れてくれてよかった」と話す小学生もいるという。

実の親が引き取りに戻り無理心中

   国はポストについて「黙認」状態を続けており、預けられた子供を支援する体制は不十分だ。たとえば、預けた実の親が引き取りを希望するケースが少なくなく、これまでにそうしたケースは18件ある。ところが、引き取られた後に子供がどうなったかをフォローする仕組みはない。

   未婚の母親が、相手の男性によって知らない間にポストに子供を預けられたとして乳児院から引き取り、その後、親子は無理心中で亡くなったケースもあった。 ドイツは約100か所の赤ちゃんポストがあり、15年間で300人が預けられたという。親が預けてから8週間以内に引き取りを申し出ないと親権を放棄したと見なされる。また、預けられたすべての子供が成人するまで、生活環境をチェックするなどの支援を継続している。

   児童福祉が専門の山梨県立大学の西澤哲教授は、「赤ちゃんポストによって福祉のあらたなオプションが増えました。子どもの最善の利益を考えて仕組みを整えていくべきなんです。国の責任が問われているのではないでしょうか」と話した。

NHKクローズアップ現代(2015年4月7日放送「『ポスト』に託された命~赤ちゃん100人のその後~」)

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