駒沢大学仏教学部の社会人入試に合格したコメディアンの萩本欽一がきのう8日(2015年)、東京・世田谷区のキャンパスで行われた入学式に出席した。73歳の新入生は、多分テレビカメラへのサービスだろう、最前列の端っこにいた。黒いスーツにバックパック。嬉しそうだ。
とはいえ、ただの新入生ではない。式が終わるとたちまちカメラに囲まれた。「一番嬉しいことは『欽ちゃん』に戻ったこと」。同級生から「欽ちゃん」と呼ばれている。50歳以上も若いクラスメートに囲まれてご満悦だ。
「心配したのはお笑いサークルがあるんじゃないかということ。見事にありました。でも、そこにはまったく近寄る気がありません」(爆笑)
野球部にも所属したい。選手無理だけどユニフォーム着せて
昨年3月に舞台活動を退いて、大学受験に向けて猛勉強した。大学入学の目的のひとつは「ボケ防止」。はじめは受験勉強も頭に入らなかったという。「脳が4か月くらい抵抗しました。『今さら覚えない』って。でもね、しつこくやってたら、脳が『わかった。お前がそうするなら付き合うよ』と答えてくれたような気がしました」
受験のきっかけになった駒沢大野球部OB会長の太田誠さんは、「73歳の人が大学に入って学ぶことは、同世代はもちろん、年下の人たちにも勇気と希望を与えた」と話す。「あくまで勉強ですか」と問われると、「そうです。のたうち回る欽ちゃんを、萩本欽一君を見るのが楽しみ」と話すのだが、欽ちゃんにはもう一つ目標があった。「なんとか野球のユニホームが着れればね。選手は無理ですけど、ユニホームが着たい。大学のユニホーム着られるっていいじゃないですか」
大学の規則「芸能活動しながら部活動は禁止」
司会の羽鳥慎一「どうです、この挑戦する気持ち」
高木美保(タレント)「若い頃にがんばって地位を築かれたからこそ、いま時間もあって余裕もあって、お金もあって、人生のご褒美なんじゃないか」
羽鳥「なかなかできないですよね」
高木「頭がついていかないっていってたけど、入ったんだからすごい」
羽鳥「年齢でダメってことはないんですね」
青木理(ジャーナリスト)「歳とってから、もう少し勉強しておけばよかったとみんな思うんだけど、やれない。やるのがすごい。脳が抵抗したってのがいい」
羽鳥「お笑いサークルの人だって、来られても困るでしょう」
小松靖アナ「大学の規則では、芸能活動しながら部員はできないんですが、何らかの手があるかもしれない」
欽ちゃんなら、何でもありだぜ。