おととい4日(2015年4月)、夜桜と皆既月食のコラボレーションに日本中がわいた。見られた場所も見られなかった場所もあったが、「酔いしれました」(菊川怜キャスター)という春の一夜だった。
皆既月食は「赤い月」とよばれ、東京で桜と重なるのは196年ぶりだ。午後8時54分からの12分間。ライトアップされたスカイツリーとも重なる東京・隅田川沿いには、「狙いますよ、ゼッタイ狙います」と福井から来たという男性はカメラを構え、「10月から楽しみにしていました」と話す女性もいた。
「雲の隙間から見えるはずですが」
天気予報では東京は曇りだったが、「とくダネ!」は周辺で月食が見える場所を探した。気象予報士の天達武史が「前線が停滞していて、雲の隙間を探すのはむずかしいな」と雨雲レーダーをにらんで出かけたのは甲府あたりだった。2000メートル級の山に囲まれているので、ひょっとしたらの可能性があるというのだ。
山梨県富士川町にある大法師公園は「桜の名所100選」の一つに選ばれ、2000本のサクラが満開だった。天達は花曇りの空に南東の方角から上がるはずの月を待った。
福島や宇都宮では「見えた!」
東京の上野公園には奇跡を信じる人が詰めかけていた。57歳の中国人女性は「日本で見られるなんてもうけものよ」。しかし、月は出なかった。
月食月見と花見が同時に楽しめたエリアは全国でも少なかった。月が出た沖縄では桜はすでに散り、仙台はこれから。だが、福島県や栃木県宇都宮市では撮影に成功した人もいた。
山梨県の公園にいた天達は1秒も見られなかった。
菊川怜「雨雲レーダーはなんで間違ったのですか」
天達「レーダーに映らない低い雲があって。責任を感じています」