値上げの足が止まらない。岡安弥生レポーターがスーパーで数えた。生乳の価格上昇で牛乳、チーズなどの乳製品が約2~8.2%(明治、雪印メグミルク)、原料のトマトも高くなっているためトマトケチャップが4~13%(カゴメ)、食用油は円安のため約12%(日清オイリオ)、コーヒーも生豆の高騰で約20%(ネスレ)・・・。これだけ円安が進めば当たり前のことだが、これがアベノミクスといわれてもねぇ。
バター値上がりで「塩バターロール」が「塩ロール」に
スーパーは日持ちのするものは大量に仕入れて、それを売り切るまで値上げをしない態勢だが、牛乳などはそうはいかない。他店がどんな値付けをするかの探り合いだという。原料の値上がりで製造・小売段階では我慢比べだったのだが、そろそろ限界に近づいてはいる。
小売店、料理店が並ぶ東京・戸越銀座で聞いた。「痛いよ。本当に痛い。ひとつじゃない、全部だから」と中華料理店主は嘆く。チャーハンでもラーメンでもどれだけの原材料が入っているか。「でも我慢するしかない」
塩バターロールが人気だったパン屋さんは、バターの値上がりでマーガリンを使わざるをえず、名前も「塩ロール」になった。「マーガリンとバターを合わせたものを使ってます」
去年は消費税、今年はアベノミクス円安・・・値上がりに追いつかない給料
隅田公園でお花見の女性たちに自衛術を聞いた。「他のことなら我慢もできるけど、食はちょっと嫌ですねえ」「ちょっとでも安い店に行く」「保存期間の長いものは買っておく」「食費は削れないので、レジャーとか洋服とかですよね」「これ以上切り詰めるとこないもんねぇ」
司会の羽鳥慎一「厳しいですね。バターロールが塩ロールになったというのが」
赤江珠緒キャスター「苦肉の策でしたね」
羽鳥「ケチャップも25年上がってなかったんですね」
優木まおみ(タレント)「でも、給料が上がるという話は聞かないですね」
羽鳥「その話はこのところずっとされてて、買う方も大変、売る方も大変」
青木理(ジャーナリスト)「アベノミクスってこういうものなんですよ。物価以上に給料が上がるというのが前提なんだけど、大手の企業は上がってるが中小は上がらない。所得の低い人ほど苦しくなっちゃう」
赤江「消費増税から1年です」
岡安が聞いた消費者の声を要約すると、「給料が上がらない」「またか」「消費税は実感より高い」となった。
青木「いずれトリクル・ダウンといって、下まで降りてくるというのだが、日本の企業のほとんどは中小企業ですからね。それと年金のスライドも抑えられた。低い方が苦しいんです」
値上がり品目の中には、すでに1度上がったものもある。輸入小麦の売り渡し価格は3年間で20%も上がった。きついボディーブロウにみえる。