「これは副操縦士の意図的な行為です。自ら降下させるためのスイッチを操作しました」
乗客・乗員150人が乗ったドイツ旅客機がフランス山中に墜落した原因は、副操縦士が急降下の操作をしたためだった。フランスの検察当局がボイスレコーダーを分析して発表した。
フランス検察当局「意図的にスイッチ回さない限りここまで降下しない」
墜落した旅客機がスペイン・バルセロナ空港を離陸したのは24日(2015年3月)午前10時1分で、「最初の20分間は2人のパイロットは普通の会話をしていました。不自然な点は何もありませんでした」と検察当局の担当者は明らかにした。
離陸44分後に既定の高度1万2000メートルに達したあと異変が起きた。「機長の声で副操縦士に『操縦をするように』と言っていました。聞こえてきたのはイスを引く音です。そしてドアが開いて閉まる音です。考えられるのは機長が用を足すために席を外したのです」
ところが、機長が戻ってドアを開けようとすると、「副操縦士はドアを開けるのを拒み、機体を降下させるスイッチを作動させました。意図的にスイッチを回さない限りここまで降下することはありません」
激突直前まで副操縦士の息づかい
墜落したエアバスA320は降下する際のスイッチは操縦席前部の真ん中にあり、左に回すと降下を始めるのが、かなり回さないと急降下はしない。「聞こえてきたのは副操縦士の呼吸する音だけ。この音は最後の衝突の瞬間まで聞こえていました。つまり、ギリギリまで副操縦士は生きていたということです」
この間、「機長が何度も叫ぶ声が聞こえました。コックピットに入れるよう訴える声です。しかし、副操縦士はまったく返事をしていません。この時、アラームが鳴っていました。地上が近いことを知らせていたのです。犠牲になった人たちは最後になって異変に気づいたんだと思います。叫び声が聞こえたのは衝撃直前の瞬間でした。まさに最期の瞬間です」。
検察当局の担当官は次のように締めくくった。「副操縦士が意図的に飛行機の高度を下げ、機体を破壊する意図があったと思われます。普通、自殺は一人でするもの。150人もの命を犠牲にしたのだから私は自殺とは言いません」
司会の小倉智昭「こんなことがあっていいんですかね」