甲子園の選抜高校野球で2回戦に勝ち進んでいる大阪桐蔭の名前が変なところで出てきた。大阪桐蔭中学・高校(大東市)で保護者から教材費を多めに集めて裏金をつくり、これを幹部が交際費などに使っていたというのだ。その額は10年間で1億円というからただでは済みそうにない。
大阪府は詳しい報告を求め、私学補助金の減額も検討するという。野球で有名なだけでなく、大阪でも屈指の進学校でもある。不祥事はその教材や模擬試験にもかかわるだけに、保護者の目も厳しいものになりそうだ。
同じ学校法人「大阪産業大」では補助金不正請求
大阪府などによると、毎年度はじめに教材費を多めに徴収し、業者に支払ったあとの余りを返金せずに隠し口座にプールしていた。生徒数は中高合わせて3100人だから金額も大きくなる。幹部職員は裏金を教材会社との会食費やブランド品の購入に当てていた。
露見した1億円は2005年以降だけで、それ以前の出納記録がないため、実際にはどれだけあったかはっきりしない。模擬試験の受験料の一部、6000万円を別口座で管理していたことも明らかになっている。
桐蔭は金にまつわる話がよく出る。同じ学校法人傘下の大阪産業大はおととし、補助金不正請求で文科省から処分を受けている。桐蔭高校生に入学の意思がないのに産業大を受験させ、合格に後辞退させて実入学者数を減らす。これが「国の補助金狙い」とされたのだ。
2年前の卒業生のひとりは「まだやってるの」とあきれ顔だ。「学習塾関係だといろいろありそうだという印象はあります。模試はもう半端じゃないくらい受けているので」。産業大の不正は「受験ちょっとしてや」「好きな学部書いてよ」という軽いノリで受験させられていたのだが、「そこまで重要な話になったんだと生徒はびっく りした」「裏金がどうなってるのか。返ってくるなら返してほしい」という。大阪桐蔭はきょう25日(2015年3月)、第三者委が会見して説明するという。