東京・渋谷駅前が22日(2015年3月)夕方、人で埋まった。日本のファッションビル第1号といわれた「東急プラザ渋谷」がこの日、半世紀の歴史に幕を下ろし、別れを惜しむ人たちが集まったのだ。
東急プラザ渋谷が開業したのは東京オリンピックの翌年の1965年だった。渋谷駅前は再開発が進み、当時の面影が残るのは東急プラザ渋谷ぐらいだった。
日本のファッションビル1号
高齢の女性は「全員には言えないけれど、八百屋さんとかいろんな人にお別れしてきましたよ」と話す。地価は生鮮食品売り場だったのだ。中年の女性は「青春の思い出という感じです。友だちとご飯を食べたりお茶を飲んだりしましたし、亡き父とも一緒に食事をしました。本当に感慨無量です」
40代とおぼしき男性がこんな話をした。「私の母が私を妊娠しているときに、9階の中華料理店でご飯を食べ元気をつけたという話を聞いて最後の日に同じ店で食事をしたかった」 そして、午後6時の閉館。集まった人たちから一斉に「ありがとう」の声がこだました。司会の小倉智昭は「怜ちゃん一人でよく食事していたの?」と、サブキャスターの菊川怜(女優)に聞く。
「学生時代は渋谷に行くのが多かったですね。上に本屋さんがあったんですよ」
跡地に2018年に新しい複合ビルが完成予定だ。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト